「earthの部屋」
〜for Beginner〜
グッピーに始まり、グッピーで終わる。グッピーから熱帯魚を始める方は多いですね。
グッピーは丈夫で安価で良く増える。まさに初心者にうってつけの魚。
しかもその美しさは抜群で、熱帯魚の代表格ともいえます。
さらに、魚なのに卵でなく稚魚を産むという変わった性質も持っています。
また、品種改良が最も進んだ魚ともいえ、
・ボディーの色(体色)
・ボディーの模様
・尾筒の色
・尾筒の模様
・ヒレの形状
・ヒレの色
・ヒレの模様
など、
各部分に様々な違いがあり、それらの組み合わせで膨大な数の品種が存在します。
自分好みの品種だけをじっくり育ててもいいし、
色々な品種のグッピーを一つの水槽に泳がせて楽しむのも良いでしょう。

そんなグッピーには値段が大きく異なる、区別があるのです。
それは国産グッピーと外国産グッピー。
国産だから高い、外国産だから安いという一般論は当てはまりますが、
グッピーの場合、品質や信頼ではなく、目的が異なるのです。

国産グッピーとは、品種改良を目的に、もしくはその品種の維持のために、
累代繁殖を重ねてきたグッピーで、同じ品種のオスとメスがペアで販売されます。
メスは交尾の時に受け取った精子を数回に分けて使うため、1品種につき1水槽必要で、
販売できる店も限られ、その値段も1ペア数千円〜1万ほどとかなり高価になります。
とはいえ、きちんと品種の管理がされておらず、質の低いものもあるのも事実。
ちなみに、海外でこの目的で累代繁殖されてきたものがショップに出回ることがあれば、
不思議なことに「国産グッピー」として分類されるでしょう。

一方、外国産グッピーとは商業目的で東南アジアを中心に大量養殖されたもので、
どの熱帯魚ショップに行ってもおいてあり、非常に安価です。
商業目的で品種改良や新品種の作成が行われているため、
大量養殖とはいえ、品質はすばらしく、国産グッピーに負けぬ美しさを持っています。
実際、これまでに何度も国産グッピーに大きな影響を与えています。
ただ惜しむべきは、品種ごとの販売がなされているわけではないので、
オスメスのペアで飼い、子が生まれても、親と同じ姿をとることが少ないということ。
とはいえ、それはそれで、どんな姿の子が生まれてくるかという、楽しみになりますね。

初心者の方も、基本的にどちらを選ばれてもいいと思います。
品種にこだわらないなら、安価な美しい外国産がおすすめ。
ただ、外国産は長旅で弱っていたり、元の飼育環境が汽水(海水と淡水の間)であったりと、
国産のほうが日本の水に慣れているので導入が容易というメリットもあります。
とはいえ、一度なじんでしまえば非常に丈夫ですので、初心者の方でも簡単に始められるはずです。

さてさて、長々と国産グッピーと外国産グッピーの違いについて述べてしまいましたが、
本題のグッピーの飼い方についての話に移りましょう。

グッピーを生育するには特別な機器は必要ありません。
通常の熱帯魚を飼う機器があれば十分すぎるほどです。
ですから、それらの機器については「熱帯魚を飼おう!!」のページをご参照ください。

あれ?とすると、このページの役割は何だったのだろう、、??
困った。。。

では、グッピーを飼うのに必要最低限の器具を紹介しましょう。
・グッピーを飼うための容器
以上。
そんな馬鹿な!!ですが、グッピーは非常に丈夫な魚ですので、それでも問題ありません。
実際、高校の時、生徒会室でペットボトルにグッピーを入れて飼っていました。
水質浄化のフィルターもエアーポンプもヒーターもなし。
適切な量であればフィルターやエアーポンプは必要ありませんし、
3分の1程度の水換えであれば、カルキ抜きも必要ありません。
温度についても、徐々にならせていけば、かなりの低水温まで耐えることができます。
後は、死なない程度の控えめな量の餌(←ポイント)
グッピーは一週間ぐらい餌をやらなくても死ぬことはありません。
しかし、餌のあげすぎは水質悪化を引き起こし、死を招きます。
餌は適切な量がわからないなら、やるよりやらないほうがましなのです。
可愛いからとついついやりたくなってしまう方は気をつけましょう。

とはいえ、さすがに最低限の飼育はあまりお勧めしませんので、
きちんと「熱帯魚を飼おう!!」のページをご参照ください。

一応グッピー飼育と購入のワンポイントを。
まず、購入についてですが、輸入直後はさすがに弱っています。
入荷後、しばらくたってから購入するといいでしょう。
これはグッピーに限ったことではありませんが、
特にグッピーの雄の大きなヒレは傷つき易いので、注意が必要です。
傷口から菌が入り、病気にかかりやすいからです。
選ぶ際はできれば飼育経験者に同行してもらうのがベスト。
ショップによっては病気のグッピーを平気で売りつけることもあります。
少しでも動きのおかしい個体(じっとして動かない、体をあちこちにこすり付けるなど)、
病気や怪我をしていると思われる個体はさけましょう。
また、病気の個体がいる水槽からの購入はいったん控えたほうが賢明です。
購入した個体に病気の兆候は見られなくても、菌自体を持っている可能性はあります。
そのような個体を自宅の水槽に入れると、元々いたグッピーに感染なんてこともありえます。
外国産グッピーであればコンスタントに入荷されるはずですから、気長に待ちましょう。
飼育に際しては、あまり早く泳ぐことができないので、水流は弱めにすると良いでしょう。
あとは、特に気をつけることはないと思います。


最後に、グッピー病について。
グッピー病とはグッピーが特異的にかかる、非常に伝染力が高く、致死率の高い病気。
かかってしまったら、はっきり言ってあきらめるしかない。
体全体がなんとなく白っぽくなり、各ヒレが閉じたまま。
体全体を揺らすようにして力なく漂うようになり、やがて死に向かいます。
現在はほとんど聞かなくなりましたが、私が熱帯魚を始めたときは猛威を振るっていました。
熱帯魚を飼い始めたばかりでそんなことは知らず、グッピーって難しいと感じたものです。
当時は、外国産グッピーは購入後、次々と死んでいき、手のつけられない状態でした。
しかも、その感染力はすさまじく、全滅が当然。
病気の魚のいる水槽からの飛沫で、別の水槽も全滅するとまで言われていました。
ついにはグッピーの輸入そのものが止まったようで、ショップから外国産グッピーが消えました。
近くのショップも外国産の販売をやめ、繁殖用からあぶれた国産グッピーを代わりにしていました。

現在、原因が判明しているのか、また、その治療法が確立されているのかは知りませんが、
当時の感染力の強さから考えるに、グッピー病の抵抗力を持たないグッピーは全滅し、
耐性を持った一部のグッピーが生き残り増えたと考えるのが妥当かと思います。
そのため、現在は基本的にグッピー病について考える必要はないと思います。

ただし、外国産グッピーから隔離されていた国産グッピーについては、
今もグッピー病の耐性を持っていない系統もいるので注意が必要です。
実際、私も外国産グッピーから国産グッピーの繁殖に切り替えた際、
外国産グッピーをどかし、その水槽に新しく購入した国産グッピーを導入したところ、
販売時は非常に元気たった国産グッピーがグッピー病にかかり全滅してしまいました。
原因はおそらく元々いた外国産グッピー。
耐性を持っていはいるが、グッピー病の病原菌を持っていて(自身は全く元気)、
その菌が水槽の水の中に残っていたようです。
国産グッピーの中にも耐性を持っている系統もいるので(当然菌を持っている可能性あり)、
新しい系統を導入し、交配させる際には細心の注意が必要と思われます。
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