
6月1日の朝5時前にみほちんに起こされて、おしるしがきたということを聞いた。
「いよいよ親になるのか」と思いつつ、今日の段取りを確認して会社に出社し、上司に子供が生まれそうだ事を伝えて
午後産院へ急いだ。
産院へ向かう電車の中で親になる実感を少ずつ感じながら、
「産院についたらもう生まれていたらどうしよう」、
「赤ちゃん無事に生まれてくるか」、「ついたらみほちんが苦しんでいたら大変だ」等
いろいろなことを考えながら産院に着いた。
ナースステーションで病室を聞いて、病室に入ったとたん、いつもと変わらないみほちんが居てちょっと拍子抜け!
なんでも、今朝からだんだん痛くなってきた陣痛がなくなってしまったとのこと。。
夜検査したとき、陣痛の波は見えているので帰宅はダメとの事で、
結局この日はそのまま一人で帰宅。
6月2日、朝病室に行くとまだみほちんは元気そう。
でも昨日より陣痛が強くなってきているという。
この日はお義母さんも来てくれていていたのだが、昼を過ぎても本格的な陣痛は始まらず、いったん帰宅することにした。
その後、17時頃みほちんから電話があり、なんともう陣痛室に入ったという。
すぐに車を飛ばし産院に急行ー。
急いで陣痛室に入ると、また元気そうなみほちんがいた。
またまた陣痛が来たと思ったら痛みが和らいでしまったみたい。
「なかなか生まれてこないねぇ」と雑談をしていたが、21時を過ぎてだんだんと痛みは強くなってきていたみたいだった。
でもまだ子宮口は2cmしか開いていないとのこと。
夜中0時前に看護婦さんよりいったん帰宅を勧められたが、出産には立ち会おうと思っていたし、何よりみほちんが心配で
家に帰っても寝れそうになかったのでこのまま産院に居ることにした。
日付が変わり6月3日の夜中1時頃、今まで元気だったみほちんが陣痛の痛みで苦しみだした。
看護婦さんに来てもらい子宮口をみてもらったけど、まだ3cmしか開いていない。
僕が出来ることといったら腰をさすってあげることしかなく、少しでも痛みが和らぐようにずっと腰をさすってあげた。
もうみほちんは話をする余裕もなく、ずっと苦しんでる。
それを目の前にして、何も出来ない自分の無力さを感じ、もう早く生まれてきてくれることを祈るばかりだった。
看護婦さんは2時間間隔で見に来てくれるのだが、検診が済むとまたナースステーションに戻ってしまうので、
「こんなに苦しんできるのに早く何とかしてくれ!」と思った。
明け方前の検診で、すでに破水しているとのことで、抗生剤の注射や点滴をうたれるみほちんをみて、
もう痛々しくて耐えられなかったが、
「みほちんは生まれてくる赤ちゃんのために頑張っているんだ、自分もしっかりしないと」
と自分に言い聞かせた。
とうとう朝になった。朝食が出されたがもちろんみほちんは食べれるはずがない。
子宮口はまだ6cmしか開いてないという。
あんなに夜どおし頑張ったのに...これ以上みほちんは耐えれない、帝王切開をお願いしようかと思った。
検診が終わった後、再度みほちんの元へ戻り、腰をさすりながら早く生まれて来て欲しいと一心に願った。
お昼12時になった。子宮口が8cmになり、やっと分娩室へ行くことが出来た。
やっと終わりだね、もう少しだ、頑張れみほちん!
その後、看護婦さんに呼ばれて分娩室へ。
陣痛室へ入るのも初めてだったけど、分娩室は独特の雰囲気がありちょっと圧倒された。
ドラマなどテレビではみたことがあるけど、今自分がその状況に置かれて、まさに子供が生まれてくる時に
この場所にいることは感慨深いものがあった。
分娩室でも僕はやることがなく、汗を拭いてあげることと、お茶をあげること。
たったそれだけだけど、頑張っているみほちんを目の前にして、僕もしっかり頑張ろうと思った。
陣痛の波にあわせてイキむ度に赤ちゃんがだんだん出てくる。
看護婦さんから「髪の毛が見えましたよ」と言う。
「もう少しだ、頑張れー」と思っている時、突然壁のアラームが点灯。
どうも母体の酸素不足の状態になったらしく、看護婦さんがすぐみほちんに酸素マスクをした。
その後、何度もイキんでいたが、なかなか頭より先が出てこず、看護婦さんがみほちんのお腹を手で押すことになった。
看護婦さんが台の上に乗って、陣痛の波に併せて全体重をかけて押しているのを見て、みほちんも赤ちゃんも大丈夫かと
かなりビックリしたけど、もうここまできたらお任せするしかなかった。
そして13時19分、無事出産!
男の子で、なんと体重が3,986gもあるビックな赤ちゃんだった。
どおりで分娩も大変なわけだ。
初め赤ちゃんが出てきたときにすぐに泣かず焦ったが、口や鼻を吸引してすぐに産声を上げて一安心した。
出てきてすぐに目が開いていて、僕と目が合ったのだけど、そんなのは覚えていないよね?
出産に立ち会ってみて、子供を産むということは、とても大変なことなんだということが分かった。
安産の人もいるだろうけど、安産でも生む母親にとっては少なからず大変な思いをして生んでいるのだと思う。
こんなに可愛い赤ちゃんを産んでくれたみほちんにとても感謝!
それから無事生まれてきたちびにもね。二人とも、どうもありがとう!