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比屋根安弼によって創始され、石垣寛史から川井民枝に伝えられた勤王流の舞踊において最も重要で根本を成すものが勤王流舞踊の手振型「二十二の手」です。以下がその二十二の手です。 |
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「二十二の手」について解説しましょう。以下の解説は神山長蔵氏の研究資料で、川井民枝が〔勤王流舞踊の手振型「二十二の手」〕を舞台で踊る際にナレーションとして使用されているものです。 |
勤王流八重山舞踊は、これら二十二の手を舞踊の中に取り入れて心情や情景を強調します。一つの舞踊に取り入れられる「手」の数は舞踊によってまちまで、古典舞踊と創作舞踊の間に差があるものでもなく、舞踊ごとにどれだけ「手」に合った場面があるか、あるいはどれだけ強調する場面を作るかに拠ります。 |
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一、
起恕
きじょ |
祝の座で初めに演じられる「赤馬節」や「鷲ぬ鳥節」等、荘重な踊りの最初に構える型を〔起恕〕と言います。 |
二、
凱恕
がいじょ |
〔起恕〕の構えの次につながる型を〔凱恕〕と言います。凱旋した時の喜びを表すような情感が漂っています。 |
三、
斜歡
しゃかん |
踊りには前後左右の動きがありますが、斜めに構えて踊りの美を作りだす型を〔斜歡〕と言います。 |
四、
示視
しし |
〔斜歡〕の型を強調し、力強さを簡潔な型で表現しています。これを〔示視〕と言います。 |
五、
恩願
おんこ |
人間は大自然の中で生かされ、神や親の恩に報いる敬虔な心を持たなければなりません。これを表現する型を〔恩願〕と言います。 |
六、
捧納
ほうのう |
感謝の心、報いの心は踊りの基本を成すものです。その型を〔捧納〕と言います。 |
七、
風靡
ふうび |
踊りの優しさは、あたかも草木が風になびく様な、しなやかさを求められるものです。その型を〔風靡〕と言います。 |
八、
招麾
しょうもう |
優しさの表現に、めり張りを付けるアクセントが強調されています。〔風靡〕との対で、この型を〔招麾〕と言います。 |
九、
無窮
むきゅう |
大宇宙の無限の広がり、限りない幸せの広がりを表す型を〔無窮〕と言います。 |
十、
登峰
とほう |
人の道は遠くを行くが如しです。行く手に希望を持ち、峰を登るさまを表現した方を〔登峰〕と言います。 |
十一、
遠眺
えんちょう |
近きを知って、遠くを眺める心の穏やかさを表現する型を〔遠眺〕と言います。 |
十二、
瞬眸
しゅんぼう |
風に吹かれて、はらはらと舞う落葉の瞬時を捉えた型を〔瞬眸〕と言います。 |
十三、
思出
おもいで |
生きてきた証、過ぎし日の様々な思い出を表現する型を〔思出〕と言います。 |
十四、
飜熾
ひしょく |
〔思出〕の型と対をなすもので、過去を振り返り、未来に啓発を促す型を〔飜熾〕と言います。 |
十五、
戀思
れんそう |
恋心は秘めごとであり、つつましさと燃えるような思いを表現する型を〔戀思〕と言います。 |
十六、
袖懐
しゅくわい |
袖を抱えたり、袖を連ねる様は、悲しみの心を表現する優れた所作です。この型を〔袖懐〕と言います。 |
十七、
警嚴
けいげん |
行きていくには油断することなく、厳しく自分を律することにあるという型を〔警嚴〕と言います。 |
十八、
尊顔
そんがん |
国王や冊封使の前で、ご尊顔を拝してうやうやしく踊る型を〔尊顔〕と言います。 |
十九、
揮前
きぜん |
美と優しさの中に、めり張りを付ける勇壮な型を〔揮前〕と言います。 |
二十、
進貢
ちんこん |
唐の国に貢をする進貢船も意味し、また人間の営みを表す型を〔進貢〕と言います。 |
二十一、
飛龍
ひりゅう |
龍が勇躍して舞い上がり、天空を駆け巡る様な型を〔飛龍〕と言います。 |
二十二、
降龍
こうりゅう |
万能の龍が天下りして、人々に幸せをもたらす型を〔降龍〕と言います。 |
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そして「二十二の手」は、七部から成る「心得」と連接しており、無錆之会では、会員一人ひとりがこの心得を想起し、師の教えから外れないよう精進しつつ舞を舞っております。 |
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第一部、
起恕
凱恕 |
盡忠興國の士謄寛恕に公明正大怙贔屓無く一刀両断勧めなば人の心情は勿論萬物の機微も察知して人は信友の猛敵は服従して山に遁れし人も大御代を慕い都へ皆出て泰平を謳歌し舞遊び |
第二部、
斜歡
示視 |
治國の大御代は縦横斜向ふ處敵無く歡迎〔斜歡〕の福音四海に満ちて見聞〔示視〕開撥の機運なる哉 |
第三部、
恩願
捧納 |
國には大君 家には父母 君主無くば國樹たたず 家に父母失えば暗黒となるが如し 君親の恩深遠宏大なる哉 |
第四部、
風靡
招麾
無窮 |
風は大君の徳(命令)靡は民草天風になびき従う曾散〔招麾〕自由の民權の在難や |
第五部、
登峰
遠眺
瞬眸 |
君子は(自彊不息)遠きは近き高きは低きより遠近上下の状瞬時も匁等に見る喩へは仁徳天皇に御昇り給ひ民の状を眺め遊ばされ民を哀れんで給ふた御意の如し |
第六部、
思出
飜熾 |
古の歴史を弁へ善悪の跡を思へは義勇は指す能はずすなわ忽に心謄ひるがへり〔飜熾〕妻子の愛〔戀思〕帰し誠意神展に誓い〔尊顔〕禮に非ざれば履ます尊卑の位置正しく亂されれば進んで〔揮前〕萬機を啓發し名を千歳竹帛に垂る運いすゝの意 |
第七部、
飛龍
降龍 |
海に棲むも山に屈すも時ありて龍の屈伸の自在なる哉太公望が渓の山奥に漁獲一夫とは思はゞ忽ち變して文王の師匠となりたる如し |
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表示できない旧字体を新字体で表記しています |
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石垣寛史から川井民枝に流動体として伝えられた勤王流舞踊の手振型「二十二の手」は、下の白紙に記載された手から成っています。このページではそれらの手の動きを連続写真で示していきます。
二十二の手は流動体として完成されたものであり一連の動きですので、連続写真といっても総ての動きを示すことはできません。それでも、その概要を皆様にお伝えすることができれば幸いです。 |
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一、起恕 きじょ |
祝の座で初めに演じられる「赤馬節」や「鷲ぬ鳥節」等、荘重な踊りの最初に構える型を〔起恕〕と言います。 |
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二、凱恕 がいじょ |
〔起恕〕の構えの次につながる型を〔凱恕〕と言います。凱旋した時の喜びを表すような情感が漂っています。 |
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三、斜歡 しゃかん |
踊りには前後左右の動きがありますが、斜めに構えて踊りの美を作りだす型を〔斜歡〕と言います。 |
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四、示視 しし |
〔斜歡〕の型を強調し、力強さを簡潔な型で表現しています。これを〔示視〕と言います。 |
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五、恩願 おんこ |
人間は大自然の中で生かされ、神や親の恩に報いる敬虔な心を持たなければなりません。これを表現する型を〔恩願〕と言います。 |
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六、捧納 ほうのう |
感謝の心、報いの心は踊りの基本を成すものです。その型を〔捧納〕と言います。 |
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七、風靡 ふうび |
踊りの優しさは、あたかも草木が風になびく様な、しなやかさを求められるものです。その型を〔風靡〕と言います。 |
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八、招麾 しょうもう |
優しさの表現に、めり張りを付けるアクセントが強調されています。〔風靡〕との対で、この型を〔招麾〕と言います。 |
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平成27年 第七回「踊り美冽」
で〔招麾〕を舞う川井民枝 |
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九、無窮 むきゅう |
大宇宙の無限の広がり、限りない幸せの広がりを表す型を〔無窮〕と言います。 |
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十、登峰 とほう |
人の道は遠くを行くが如しです。行く手に希望を持ち、峰を登るさまを表現した方を〔登峰〕と言います。 |
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川井民枝の師匠
石垣寛吏先生の〔登峰〕 |
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川井会主による
〔登峰〕 |
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十一、遠眺 えんちょう |
近きを知って、遠くを眺める心の穏やかさを表現する型を〔遠眺〕と言います。 |
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十二、瞬眸 しゅんぼう |
風に吹かれて、はらはらと舞う落葉の瞬時を捉えた型を〔瞬眸〕と言います。 |
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十三、思出 おもいで |
生きてきた証、過ぎし日の様々な思い出を表現する型を〔思出〕と言います。 |
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十四、飜熾 ひしょく |
〔思出〕の型を対をなすもので、過去を振り返り、未来に啓発を促す型を〔飜熾〕と言います。 |
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十五、戀思 れんそう |
恋心は秘めごとであり、つつましさと燃えるような思いを表現する型を〔戀思〕と言います。 |
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十六、袖懐 しゅくわい |
袖を抱えたり、袖を連ねる様は、悲しみの心を表現する優れた所作です。この型を〔袖懐〕と言います。 |
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十七、警嚴 けいげん |
行きていくには油断することなく、厳しく自分を律することにあるという型を〔警嚴〕と言います。 |
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十八、尊顔 そんがん |
国王や冊封使の前で、ご尊顔を拝してうやうやしく踊る型を〔尊顔〕と言います。 |
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十九、揮前 きぜん |
美と優しさの中に、めり張りを付ける勇壮な型を〔揮前〕と言います。 |
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二十、進貢 ちんこん |
唐の国に貢をする進貢船も意味し、また人間の営みを表す型を〔進貢〕と言います。 |
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二十一、飛龍 ひりゅう |
龍が勇躍して舞い上がり、天空を駆け巡る様な型を〔飛龍〕と言います。 |
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二十二、降龍 こうりゅう |
万能の龍が天下りして、人々に幸せをもたらす型を〔降龍〕と言います。 |
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